かぷちーとのおひとりさまブログ

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ネタバレ感想『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』主人公不在の子供が怖がるアトラクション映画

おつかれさま、かぷちーとです。

今回は『ジュラシック・ワールド』シリーズの3作目『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』のレビューを書きます。

© 2022 Universal Studios and Storyteller Distribution LCC. All Rights Reserved.

シリーズ1作目『ジュラシック・パーク』を子供のころはじめてみた時、恐竜の”生きた姿”を感じました。私は『ジュラシック・パーク』シリーズでは1作目以外あまり好きではなく、『ジュラシック・パーク』の続編であり、リブートでもある『ジュラシック・ワールド』は、それまでの作品の中でも2番目に好きな作品です。クリス・プラットがカッコいいから……というわけではないと思う。たぶんね。

さてと、結論として、『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』は好きでも嫌いでもない、微妙な映画でした。たぶんVOBで配信したら子供とみるかも。

2作目『ジュラシックワールド 炎の大国』は全シリーズの中でも1番嫌いな作品です。その続編でしたので、全く期待せずに見に行ったわりには楽しめました。

その理由は子供たちにあります。生真面目な映画好きは嫌いな作品だと思います。

この記事は映画『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』を視聴済みの方に向けたレビューです。未視聴の方はご覧にならないようお願いします。

『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』の感想

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ストーリーは前作『炎の大国』で解き放たれた恐竜たちと、人間との”共存”をテーマにしています。

私は”共存”など不可能だと思っています。草食動物は草食恐竜に餌を奪われ、肉食恐竜は人間や動物を襲い、つまり現存する動物はほぼ餌を奪われ死にます。

そんな反対派を説得できるだけの映画に仕上がっていなかったのは残念でした。結局いつもの”いつかきっと答えはある”エンドです。

当初私は、オーウェンと心を通わすブルーがキーパーソンとなって、オーウェンとの絆から”共存”を描いていくのかと思っていました。

しかし、映画で描かれていたのは恐竜の密猟、子供の誘拐、追跡、潜入、恐竜から逃げたり、立ち向かったり、悪党は恐竜に食べられ、改心した悪党は仲間になって、物語の根幹は何も解決しないまま、”どこかでみたような映画”は終わります。

正直内容のない映画を2時間30分近くも黙ってみるのは、苦痛でした。しかし、私は子供たちの反応をみて「あぁ、なるほどね」と思い、この映画が嫌いにならずに済みました。

意味のないキャラクターと魅力のないキャラクター達

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上の画像は、クレアと恐竜愛護団体のメンバーが、劣悪な環境の恐竜を密猟団から奪い逃走するシーンです。

前提に私はクレアのようなキャラクターが嫌いですが、彼女は恐竜を守るために行動しています。なのにこのシーンでは自分達が助かるために恐竜たちを利用、巻き添えにして車を走らせます。”恐竜のために”とはなんだったのか。

こういった細かな演出でそのキャラクターの矛盾をみつけてしまうと、物語の中でそのキャラクターが成長するのか考えます。今回の場合成長するようすはなかったので、やはりクレアは嫌いなままでした。

懐かしのメンバーが勢ぞろいします。ところで……主人公はだれ?

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この映画のもっとも失敗したところは主人公が絞り切れていないことです。

物語の重要な役割だと期待した、ブルーとその子供ベータは何のポジションもありません。ただ「かわいいやつ」の一言で終わりです。オーウェンはブルーとの約束を守ったシーンしかありません。

クローンの子供メイジーが、思春期を乗り越えて成長する話かと思えばそうでもないし、オーウェンとクレアも成長する描写もない、レジェンズ達も、出演させたかったから出演させたポジションで収まっています。あ、むしろレジェンズ達のキャラ立ちが良すぎたからオーウェンの活躍が乏しかったのかもしれない。

昔の映画のリブート作品って興行収入つきますよね。

オマージュに懐古、でもだからどうなのよ

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「わぁー懐かしいな」と思えるオマージュとキャラクターでファンを喜ばせます。だからといって作品が引き締まったかと言われれば微妙です。

懐かしいキャラクター達がそれぞれの持ち味を出そうとすれば、上映時間も長くなります。ストーリーも薄くなってしまいます。

ただ、アランとエリーがイナゴの採取をするシーンは面白かったです。

イナゴ登場シーンは終始「うぇー、きもちわるぃ」ってなってました。

新キャラクターと悪役に魅力が無い

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心を入れ替えたウー博士は置いといて、親玉のルイスは初代『ジュラシック・パーク』で裏切者のネドリーにスプレー缶を渡した男だったようです。

ルイスは”消火器を売る放火魔”で世の中を騙して大金を稼いでいました。この悪役ただの金目当ての男で、なにも興味深いバックグラウンドもなく、正直どうでもいいです。

ネドリーが恐竜にやられた時はスカッとするのに、ルイスの場合は何にも感情がでません。

ところで、密売人のサントスも前作のクソ兵器と同じく、レーザーを使ってラプトルを誘導してたけど、やっぱり標準つけるぐらいなら自分で銃撃った方が絶対に強いし効率的だと思うよ。今回の場合は取り逃がしたから効果はあったともいえそうですが。

上の画像は個人的に一番見ごたえのあったオーウェンVSラプトルのダイナソーチェイス(?)です。

子供たちが楽しめるアトラクション映画であった

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確かに『ジュラシック・パーク 新たなる支配者』は”新たなる支配者は不在”だったし、なんの発見もない”退屈な映画”です。

映画の中身なんてものは何もない、無能になってみる映画ではあった。しかし、昔の『ジュラシック・パーク』をどうしても追い求めてしまう大人たちが、「あーだ、こーだ」文句をいうのも「なんだかなぁ」と思う。

私は家族で映画をみてきたのですが、子供たち(小学生2人)に感想をきくと「怖かった!楽しかった!ブルーとベータ?が一緒になれてよかった!」といっていました。

この映画のよさ

『ジュラシック・ワールド 新たなる支配者』は子供たちが楽しめる映画です。恐竜が出てきて、ワクワクして、ちょっと怖くて、感動します。

うちの長男は暗いところから恐竜がでてくると、目を手でさえぎりながらもちゃんとみてました。次男は恐竜が出るたびに「あ!〇〇サウルス」「××ドン!」と教えてくれました。劇場内はそんなに込み合ってなかったのですが、「静かにね」と伝えると、耳打ちで教えてくれました。怖いシーンになると口をおさえて「わっーー!」って叫んでました。

私が子供のころ、映画館で『ジュラシック・パーク』をみた思い出がよみがえりました。あの時はこの子たちと同じようにドキドキしながらみたものです。

最後に

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映画の”中身”といわれても、子供にとってはどうでもいいし、恐竜たちの”生きた姿”を楽しめればそれでいいのです。

”中身”とは一言で言えば”感動”であり作品の”テーマ”です。『セブン』なら”人間がもつ7つの大罪”『ファイトクラブ』なら”サブリミナルと消費者主義からの脱出”など、名作と呼ばれる作品には作品の”テーマ”から視聴者になにか訴えかけたり、答えを提示したりします。

この映画には残念ながらその”テーマ”に対しての解答を持ち合わせていないうえに、キャラクターみずから論理を破綻させてしまっています。

しかし、子供たちが楽しむファミリー映画としてはみごたえがありますし、夏休みの1本としておすすめできます。

こんな文章を書きながら、「大人になってしまった自分が少し寂しいな」と思ってしまいました。若いころの感動って鮮明に残っているぶん、年をかさねると”世の中を知った”つもりで、感動しにくくなってしまうのかな。

 

最後まで読んでいただきありがとうございます。

堅苦しい文章なのは許してください。

では、またの機会に。