おつかれさま、かぷちーとです。
今回は映画『ミッドナイトスワン』のレビューと解説を書きます。
この映画は大好きな人が多いので書こうか迷いました。
でも嘘をついても身体に毒なので本当のことを書きます。
私はこの映画が嫌いです。
初見では、凪沙の結末をみて「なんて可哀そうなんだろ」と思いました。映画のストーリーや構成について、無駄な部分が多くとも、嫌いな映画ではなかったです。
でも、内田英治とかいう監督の考えと、”LGBT”について調べたあと「わぁー騙された!」ってなった。
”LGBT”について調べるきっかけになった作品です。”学ぶ”ことは大きかったのですが、非常に残念です。
「人間がなぜ泣くかわかった……俺には涙をながせないが……」
”感動って難しい”ですね。
この記事は映画『ミッドナイトスワン』を視聴済みの方に向けたレビューです。未視聴の方はご覧にならないようお願いします。
製作キャストとキャラクター紹介
監督 内田英治
代表作「全裸監督」「家族ごっこ」「神と人との間」
撮り方、音楽のはいりかた、みやすさは違和感がなく”とてもよかった”。
ストーリーも大筋ではよかったのですが、演出に関して首をかしげる場面がいくつもあります。”感想と解説”にて細かく書いていこうと思います。
映画公開時にTwitterなどであれた、”トランスジェンダーの手術の批判”について
凪沙が手術を受けたあと、映画では悲惨な状況に陥っています。これに対して、LGBTの当事者や、医療関係者が話す現状とかけ離れた、”事実と違う内容”に対して発した内田監督の公式見解です。
「(中略)映画祭やSNSでインテリ気取りが唸り議論するだけ。なので娯楽です。多くの人に観てほしい。それだけ」
私は恥ずかしながらトランスジェンダーの現状や、常識を知らないでみた1人です。
何も知らず作品の最後までみた時、たとえ女性としての身体を得ても、「彼女たちの一生は辛いものなんだ。」「なんて可哀そうなんだ。」と思いました。
しかし事実として、手術であのような状態になることは、現代の医学ではありえないと言われているそうです。
つまり、監督は嘘をついて(事実彼は承知の上で作品を作っていた)”可哀そう”という人の感情が揺れる、いわゆる”感動ポルノ”で我々観客を”釣った”ことになります。
”疑似親子の愛”に対して感動してもらいたいならば、今回の嘘は間違っていると思います。
”感動ポルノ”ではないというならば、凪沙を殺す必要は全くありませんでした。
総評にて詳しく書きます。
俳優 草彅剛
得意料理はハニージンジャーソテー、凪沙
ニューハーフバー”スイートピー”に勤めるトランスジェンダー、日中は人目を気にしてサングラスとロングコートを着ている。
一果と暮らすうちに”母性”を見出すのですが……。
服部樹咲
バレエの才能に溢れる中学生、桜田一果
シングルマザーである母親の早織からストレスのはけ口にされる(ネグレクト)。
一果に”たまったストレス”は暴力行為と、自身の腕を噛む自傷行為によって発散します。
感情を押し殺したキャラクターで初出演と言うこともあり、キャラクターの魅力が伝わってこなかったのが残念でした。
親友のりんが「明るくなった」「綺麗になった」と言いますが、一果のセリフどおり「そんなことない」私もそうおもいました。
上野鈴華
お金も暮らしも何不自由ないけど親の愛情がなかった、桑田りん
”親の愛情”という意味では、りんも一果も似たもの同士でした。
りんは恋人として一果に惹かれつつも、バレエの才能で負けたことから”嫉妬”をいだきます。
足のケガから”母親の代替品”と感じ、結婚パーティーで自分を可愛い人形かの様に扱う両親と、周りの人々をみかぎります。
大好きなバレエと一果を想い踊ります。そして彼女はビルから飛び降ります。
「この子にはバレエしかない」子供への関心がないりんの母親が、自分のエゴを押し付けたことが分かる”うまいセリフ”ですね。
水川あさみ
一果の母親、桜田早織
娘一果への愛情はあるようでしたが、自分の不幸を娘に当たっているあたり、”クズの極み”です。
でも、いくらクズでも一果にとっては母親です。
「誰のために働いていると思ってるの!」っていう、”毒親”丸出しのセリフを吐きます。
本当に誰かの為を想っている”自己犠牲”なら、”無償の愛”でなければならないと思います。
それが”愛情”だと思うのです。
真飛聖
バレエの講師、片平美花
一果の才能にめをとめ、何故か最後は一果の居る広島で講師をしています。
凪沙を”偏見無く女性”と捉えているキャラクターです。
どうしてそうなった?っていう後半のグダグダなところは感想と解説にて書きます。
『ミッドナイトスワン』の感想と解説
凪沙にとって”希望”である一果のために、”普通の社会”に溶け込もうとするさまは”無償の愛”を感じます。
日本人のLGBTに対する考えは面接官たちとたいして変わらない。実際私も「手術してアフターケアを怠ると悲惨なんだ……」なんて”鵜呑み”にする程です。(調べるいいきっかけを与えてくれた気はします。)
2時間弱もあるのに後半がお粗末
コンサートの日、他の子供達は母親が褒めたり髪を整えてくれてるのを見て、一果は母親からの”愛情”を求めます。
結局流行りに乗った内田監督の戦略
凪沙が死ぬ理由は感動ポルノ
最後に
たかが映画、たかが娯楽、そんななんの役にも立たないようなもので、勝手に熱くなって文句言うのは、私のような「映画祭やSNSでインテリ気取りが唸り議論するだけ。」の馬鹿なヤツだけです。
なんだか「馬鹿がみるたかが映画なんだから、売れればいいんだよ」って言われている気がして、映画好きとしては切ない気持ちです……。
”可哀そう”って思っている時点で”普通じゃない人”と差別していることに気づくべきです。
色々書きましたが、結局私は”感動ポルノ”と”内田英治”が嫌いなのでしょう。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
堅苦しい文章なのは許してください。
では、またの機会に。