かぷちーとのおひとりさまブログ

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ネタバレ感想『MUTE ミュート』興味深い設定だったけど絶望的にキャラクターが悪い

おつかれさま、かぷちーとです。

今回は映画『MUTE ミュート』のレビューと解説を書きます。

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幼少期に事故で声を失った主人公のレオが、大人になり最愛の恋人ナディーラとストリップクラブで働いています。でも、ナディーラが突然失踪してしまいます。

レオはナディーラの行方を追うために徐々に裏社会へと足を踏み入れます。

監督のダンカン・ジョーンズは『月に囚われた男』『ミッション:8ミニッツ』を手掛けた人です。

『月に囚われた男』や『ミッション:8ミニッツ』は大好きな映画です。

でも、『MUTE ミュート』は嫌いな映画です。

おそらく”普通の父親になることを目指す男”の話でしょうが、どのキャラクターも動機や魅力がないので、オチが「あーそうね」って感じです。どうでもよかったです。

この記事は映画『MUTE ミュート』を視聴済みの方に向けたレビューです。未視聴の方はご覧にならないようお願いします。

製作キャストとキャラクター解説


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監督 ダンカン・ジョーンズ

代表作『月に囚われた男』『ミッション:8ミニッツ』
本作は『月に囚われた男』3部作展開のうちの2作目にあたるSFサイバーパンクです。
大きく関わるシーンは、残念ながらありませんでした。
テレビ画面で裁判をしているサムが出てくるだけです。
世界は同じでも直接の繋がりはないので、『月に囚われた男』が好きな人は、Netflixに登録してまでみる必要はないです。

出演 アレクサンダー・スカルスガルド ”レオ”

声を失った恋するやさしき大男です。
頻繁に映画内で放送される”アメリカの脱走兵”ではなく、ただのバーテンダーです。
失った彼女のためなら、なぜか裏社会の大物たちを無双できてしまう超人。
ジェイソン・ステイサムみたいに”元暗殺者”的な設定があればまだ納得するけど、素人なのに強すぎです……。

ポール・ラッド ”カクタス・ビル”

短気ですぐキレる『アントマン』です。
ナディーラとは夫婦でありジョーシーの父親、自分の娘を可愛がるのはいいけど、ぶっちゃけジョーシーが何を考えてるのか分かりません。(会話のシーンがほぼない)
家族の愛も感じなかったし、ただただ短気な男です。魅力的な悪党ではなかった。

ジャスティン・セロー "ダック"

戦友を裏切ったメガネさんです。
ロリコンで変態です。
ビルからの必要以上の暴力に嫌気がさして、レオを利用して戦友であるビルへ導きます。
キャラクターの設定は”サイコパス””イカレてる”感じが好印象でした。
でも、後半のダッグはかなり情緒不安定です。
戦友を殺された要因は自分にあるのに、必死にレオに謝らせようとしているのが理解できません。

セイネブ・サレー "ナディーラ"

「愛してるわ」が最高に嘘くさい女です。
短気なビルと、身体の関係だけで産まれたのがジョーシーかと思いきや、後半の30分でしっかり恋愛してた話をダックから聞かされます。
私は一気にナディーラの印象が悪くなりました。

サム・ロックウェル "サム・ベル"

『月に囚われた男』から登場です。
月の労働地獄から抜け出し、非人道的な会社を訴えるサム達。

『MUTE ミュート』の感想と考察

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『ブレードランナー』のような”サイバーパンク”の世界観が大好きな人には、ビジュアルと雰囲気がハマるかもしれません。

でも、ほとんどオマージュです。

新しい”ワクワクするような映像”でも、”イカれた”ビジュアルもありませんでした。

キャラクターの動機が薄い

キャラクター紹介”でほぼ書きましたが、ほとんどのキャラクターがどうでもいいです。

『MUTE ミュート』はレオの話です。そして、主人公のレオは声を失っています。

声が出せないという設定はサイバーパンクの世界とは”ミスマッチ”でとても興味深かったです。

でも、その設定を生かせていません。

レオの声がなにかキーワードになるかと思いきやそんなこともないし、彼にスポットを当てた主人公目線の映画なのに、レオ自身の魅力もありませんでした。

ストーリーも平凡で退屈です。

最後に

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酷評が多い映画です。

私も嫌いな映画ですが、レオ役のアレクサンダー・スカルスガルドは素晴らしい演技をしています。

ナディーラと最後に話すシーンは”声”がなくても、その悲しみが伝わります。

涙を拭ったり、息遣いが素晴らしかった。

レオは口で息を吸ったり、水を飲んだり”身体に取り込む”描写は多いけど、話したり、吐き出したり”身体から出す”描写が少ないです。

感情が昂るシーンでは溜まったモノを吐き出すような感じが良かった。

でもそれが何を意味するのかよくわからなかったです。

理由なんてないのかもしれません、そう思ってしまうような映画です。

真実が明かされても驚きもなく退屈だし、テーマがよく分からなかった。

雰囲気を重視する人には楽しめるかも、でも、私には合いませんでした。残念。

最後まで読んでいただきありがとうございます。

堅苦しい文章なのは許してください。

では、またの機会に。