おつかれさま、かぷちーとです。
今回は映画『TAU タウ』のレビューと解説を書きます。
日々の生活でうすれかけた人間の”善意”を、AIから学ぶ物語でした。
”面白い要素”はありましたが、既存のAIをモチーフにした映画にはかなわない作品です。
AIと人間の成長を映画にすると、どうしても似たような作品になってしまいます。そこでキャラクターの魅力だったり、ストーリーの意外性、世界観が重要です。
ただ、『TAU タウ』のキャラクターは魅力がないし、部屋から出ないワンシュチュエーション映画だったので、世界観もよく分からない。あと、驚きも少なかったのが残念なところです。
クソではないにしろ、食事のおともにするにも微妙なSFスリラー映画でした。
この記事は映画『TAU タウ』を視聴済みの方に向けたレビューです。未視聴の方はご覧にならないようお願いします。
製作キャストとキャラクター紹介
監督 フェデリコ・ダレッサンドロ
他の作品もしらない監督です。
ありふれた内容の作品でしたが、映像はみやすくてストレスを感じませんでした。音楽も同様です。
ただ、どれも無難でインパクトのない印象を受けました。
監禁されているジュリアが、徐々に弱弱しくなり化粧が落ちていきます。そこはリアリティがあってよかったです。
出演 マイカ・モンロー
手を(;゚∀゚)=3ハァハァして温めるよ、ジュリア(サブジェクト3)
どうしようもない生活を余儀なくされてきたであろう主人公。
パーティーに出ては色気で相手を油断させて、金品を盗む泥棒。
彼女の成長物語ではなく、どちらかといえばTAUが本作の主人公といえます。
そこまで魅力的なキャラクターとして深堀されていないし、好きになれないキャラクターでした。
エド・スクライン
サイコパスなのか天才なのか馬鹿なのか、アレックス
一番微妙なキャラクターでした。全く魅力のないキャラクターです。
もう少し興味をそそられるエピソードをいれたり、天才なら馬鹿な行動はつつしむべきです。
ゲイリー・オールドマン
知識欲の塊であるAI、TAU
俳優が豪華なだけあって”一番魅力的なキャラクター”でした。
創造主の言うことを聞くだけの機械だったが、ジュリアとの交流によって自我を持つようになる。(AIの成長)
必要以上の知識を与えられず、限定的な知識しか学べなかったが故に、”人の善意”を得ることが出来なかったのは、ありきたりだったけど面白い設定です。
最後にドローンの中に記録を移したのが分かりますが、
どうなんだろう?あの小さいな媒体にデータは収まるのかな?
『TAU タウ』の感想と解説
自分が生き残るためにどんなものでも利用する
ジュリアもアレックスも”自分の利益”になる行動をしています。
ジュリアは自分が生き残るためにモノを盗み、TAUを利用しました。
アレックスは世界のためだと言いながら。野心と名声のために行動します。
これは多くの被験者を拉致監禁し、生命や道徳よりも自分の研究を優先したことと、ラボが潰れる間際の「助けて」からも、”身勝手さ”が伺えます。
唯一TAU(AI)だけが自己犠牲でジュリアを救おうとしていた
TAUは自分がリセットされることを承知で、通気口を止めジュリアを逃がします。
彼女から創造主には教えてもらえない”人間性”をとりいれることで、人間よりも美しい”人間”を得ることになります。
これは同時に”恐ろしいこと”でもあるのですが、TAUの行動によってジュリアは”善意”を取り戻し、TAUを救いに行きます。
『ターミネーター2』『2001年宇宙の旅』しかり、機械の反乱を防ぐのであれば、人の裏切りや嘘や妬みなど、人間の”負の感情”をプログラムしなければ、AIは自らの意思で誰かの為に行動するのかもしれません。
最後に
色々と書きましたが、この映画は”つまらない作品”です。
ただ、それなりに感情を揺さぶるシーンはありました。TAUに対してどんな気持ちでみるかで、この映画の良さは変わってきそうです。
次のフェデリコ・ダレッサンドロ監督作品に期待したいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
堅苦しい文章なのは許してください。
では、またの機会に。