おつかれさま、かぷちーとです。
今回は映画『新感染 -ファイナル・エクスプレス-』のレビューと解説を書きます。
「おまえのために言ってる(やってる)」とか「~さんってなんか嫌だよね」とか、学校や職場でよく聞くセリフですよね。
多分会社などのコミュニティで、ある程度ストレスを発散させながら生きていける人って、こうやって他人を見下したり、同調させたり、他人のためと言いつつも、自分の利益のために動ける”賢い人”なのかもしれません。
”賢い人”は自分と敵対するとまずい相手、例えば上司なんかとは上手につき合うことができます。
なので、昇進したり、よりよい”ポジション”がとれると思うのです。
でも、”馬鹿な人”を簡単に蹴落としたり、見下してストレスのはけ口に使います。
反対に”馬鹿な人”は自分のことよりも”助けたい他人”のために動きます。
おかげで様々な苦労と、もしかしたら経済的に不安定になってしまうかもしれません。
今回の映画『新感染 -ファイナル・エクスプレス-』では、そんな”賢い人”と”馬鹿な人”が極限状態に陥ったとき、どんな”生きざま”を全うしたか体験させてくれる素晴らしい映画です。
”人間性”をゾンビ映画から”学べた”のはこれがはじめてです。
この記事は映画『新感染 -ファイナル・エクスプレス-』を視聴済みの方に向けたレビューです。未視聴の方はご覧にならないようお願いします。
製作キャストとキャラクター解説
監督 ヨン・サンホ
代表作「新感染シリーズ」「サイコキネシス -念力-」
無駄のないよく出来た作品でした。
ユーモアであり、シリアスであり、緩急がしっかりしています。
無駄なキャラクターがいませんし、ストーリーもシンプルです。
特にキャラクターはどれも感情移入ができるほど魅力的です。分かってはいてもゾンビに噛まれるシーンは悲痛でした。
主人公ソ・ソグが”人間性”を取り戻していく過程から、ラストシーンまで本当に素晴らしかったです。
出演 コン・ユ
賢い側の人、主人公ソ・ソグ
ソウルでファンドマネージャーを務め”ブサン”には別居中の妻がいます。
娘の誕生日プレゼントに同じプレゼントをしてしまう程、家庭よりも仕事を優先しています。
仕事のできる優秀なソグですが、家庭はないがしろにする典型的なタイプです。
「他人の不幸で儲け、使えない奴は切り捨てる。」
対局な相手サンファの印象です。
主人公らしく様々な登場人物との出会いと別れを経験します。
そして、娘スアンの気持ちに触れる機会が増えたお陰で、スアンが産まれた瞬間を思い出し自分(人間性)を取り戻します。
キム・スアン
ソグの娘、スアン
人として正しい選択を学び、正しいおこないができる少女です。
それだけで十分の活躍をみせてくれました。
チョン・ユミ
妊婦さん、ソンギョ
「お腹の赤ちゃんが食べる」といってお菓子を食べたり、夫のサンファに八つ当たりします。
妊婦らしい一面がリアルでよかったですね。
あんなゾンビだらけの環境で、さぞお腹がはって痛かったでしょうに……。
マ・ドンソク
漢の中の漢、サンファ
いっけん強面な顔ですが、愛妻家のようです。尻に惹かれるタイプだと思う。
ゾンビを素手で滅多打ちにする姿は圧巻でした。
主人公のような”賢い人”とま真逆な”馬鹿な人”です。
情に厚く、知らない子のスアンを夫婦そろって救おうとしてくれます。
「家族の為なら自分を犠牲にするのが父親の役目だ」
チェ・ウシク
イケメン撲殺男子高校生、ヨングク
ジニとの関係が友達で終わってしまったところが、素直になれない男子高校生の青春って感じでよかったです。
私としては、映画の本編で無理やり”狙ってる感じのラブロマンス”を入れられるとみていて不快です。
でも、この”青春ぽい恋愛”は彼らのキャラクターを魅力的にしています。
アン・ソヒ
ヨングクを応援する恋する女子高生、ジニ
騒ぎのさなか、ヨンゴクとはなれてしまい、”賢い人チーム”と共に行動をします。
そのお陰で活躍する機会が少なかったです。
「きゃぁーきゃぁー」煩いだけの娘じゃなくてよかったです。
キム・ウィソン
ドケドケー、ジャマダジャマダー、ヨンソク
子悪党というか世の中を上手に渡れる”賢い人”です。
スアンに対して「あんな大人にならないようにちゃんと勉強するんだぞ」とか、「俺はお前の為に言ってやってるんだぞ!」とマウントを取りたがるおっさん。
じつは主人公ソグと似ている人物です。
ヨンソクと違ったのは娘のスアンを守る役目があったことです。
サンファの言葉が伏線になっていることと、彼が”幸せを思い出す”シーンは感動です。
『新感染 -ファイナル・エクスプレス-』の感想と考察
高次元にまとまった作品
無駄なキャラクターがいない
どうしてお人好しは”馬鹿な人”なのか
この映画の”テーマ”
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます。
堅苦しい文章なのは許してください。
では、またの機会に。